不動産の売却は、大きなお金が動くだけでなく手続きも多くあります。スムーズに売却の手続きをしないと、売却後に予定している転居にも影響を及ぼす可能性もあります。そこで事前に知っておきたい、不動産売却に関する手続きと、売却の流れを詳しくご紹介します。

不動産売却で必要になる手続き

不動産売却の手続きで大きなものは、「媒介契約」と「売却契約」の2つです。さらにローンが残っている不動産の場合は、ローンの残高を証明する書類が必要となります。不動産会社との媒介契約時に必要な書類が多いため、契約の前に準備しておく必要があります。基本的には不動産を購入した際に渡された書類が一通り、と覚えておくといいでしょう。詳しくは不動産会社に聞きながらでも大丈夫です。

不動産売却の基本的な流れ8ステップ

不動産の売却を考えてから実際に売却するまでに必要な流れを見ていきましょう。

ステップ1.売却する不動産の相場を調べる

相続した土地や今住んでいる家など、不動産売却を考えた場合、まず売却の金額を考えるにあたって相場を調べる必要があります。不動産会社により正確な売却金額を調査してもらう前に、自分で相場を調べ、売却後の予定を計画しておきます。

ステップ2.売却の相談と見積もり依頼

売却は個人でも可能ですが、宣伝活動などを考えると専門家である不動産会社に依頼するのがベストです。ただし不動産会社によって、宣伝範囲の広さや取り扱う不動産に違いがありますので、複数の不動産会社に相談・見積もりを依頼します。その上で自分に合った不動産会社を選ぶようにしましょう。

ステップ3.媒介契約を結ぶ

依頼する不動産会社を選んだら、より正確な売却金額を算定するために実際に物件や土地を見てもらいます。さらに契約後の売却の計画、どういった売却活動をするのか説明を受けた上で、納得がいけば媒介契約を締結します。

ステップ4.宣伝活動と準備

売却のために、境界線を確定させる準備を行います。測量を依頼し、正確な土地の広さを確定させます。不動産会社に依頼すれば土地家屋調査士を紹介してもらえます。不動産会社に宣伝活動を一任しますが、売却する側もより早く売却するために準備が必要です。破損箇所がないかを確認し、修繕が必要であれば早めに手配します。また内覧に備え常に部屋をきれいにしておくようにしましょう。

ステップ5.売却契約

買主が見つかったら、売却の手続きに入ります。あとからトラブルにならないよう、不動産に関する情報は正しく伝える、書類に明記することが必要です。

ステップ6.決済

契約後に成約金額が支払われ、登記が買主に移転する手続きが行われます。これが決済手続きです。実際には司法書士やローンの手続きを行う金融機関の担当者が立ち会います。不動産会社との契約も完了となるため、手数料の支払いも行われます。

ステップ7.引き渡し

ローンの残高がある場合には、完済のための手続きや抵当権を抹消する手続きが決済後に必要です。また決済後にそのまま不動産を引き渡すことになるため、引っ越しの手続きも並行して準備しておくようにしてしましょう。

ステップ8.確定申告

売却後に忘れてはいけないのが確定申告です。売却によって利益が出た場合には、確定申告を行い、税金を納める必要があります。確定申告は売却から間があくことが多いため、納税する金額を把握して準備しておく必要があります。

不動産売却では購入する側より手続きや必要書類が多いことに注意

不動産を売却する際には、正確な土地の測量や建物の状態を詳しく明記する必要があるなど、売り手がすべき手続きが多くあります。不動産を売却することを考え始めた時点で、早めに準備しておくようにしましょう。