不動産の売却には、様々な手続きが必要となることに加え、大きなお金が動くためトラブルがつきものです。もちろんトラブルなしにスムーズに取引ができることが一番ですが、もしトラブルが起きたとしても対処方法を知っていれば早めに解決することが可能です。そこで売却する前に知っておきたい、よくあるトラブルとその回避方法、発生してしまった場合の対処方法を詳しくご紹介します。

不動産売買ではトラブルがつきもの?

不動産売買は、新築の物件以上に様々なことがきっかけとなりトラブルにつながる可能性があります。トラブルが起きる可能性を考えた上で、事前に対策をとることが大切です。トラブルが起きやすいタイミングとしては、大きく分けて以下の3つが考えられます。

売却前に起きる可能性があるトラブル

不動産を売却しようと考え、行動を始めた時点で起きるトラブルとして、「不動産そのものに問題がある」場合や「不動産会社との契約の内容」などがあります。相続した不動産の場合、売却ができるのは相続人だけですが、複数の相続人がいる場合、誰かが勝手に売却の手続きを行うとトラブルになってしまいます。また不動産会社に売却の手続きを依頼する場合に、仲介手数料をいつ支払うかが問題になったり、通常は請求されることのないコンサルティングの費用を求められたりといったトラブルも実際に起きています。よく起きるトラブルとして、境界線が曖昧であることがきっかけで、契約相手とトラブルになることなども挙げられます。

売却中に起きる可能性があるトラブル

売却する相手を探している間は、売主は不動産会社に宣伝等を任せることがほとんどですが、そのためにトラブルが発生することもあります。よくあるのが「積極的に売買の活動を してもらえない」「取り決めた仲介手数料が高すぎる」といったものです。仲介手数料は上限が定められていますが、不動産会社によっては安い場合や無料といったところもあります。とはいえ仲介手数料が高くても安くても、大切なのはきちんと契約通りに売却のための活動をしてもらえるかということです。契約を途中で解除する場合でも、仲介手数料は支払いが必要となるため、不動産会社とトラブルにならないようにすることが必要となります。

売却後に起きる可能性があるトラブル

売却後に多いのは、売主と買主の契約によるトラブルです。特に多いのが、売却して相手に不動産を引き渡したあとに、瑕疵(破損や汚れ等)が発見されることです。売主は買主に対して瑕疵担保責任があるため、修繕は売主の負担になります。ただ、売却時には分からなかった瑕疵だったり、「いつまでのものを売主の責任とするか」を書類ではっきりと期限を定めていなかったりするとトラブルになってしまいます。

トラブルを回避するために知っておきたい対処法

不動産売却には大きな金額が動くため、もし裁判を起こされれば売却ができないばかりか精神的にも負担をかけられることにもなりかねません。トラブルを未然に防ぐためにも、以下の対処法を知っておきましょう。

不動産会社に任せきりにしない

不動産会社は売買のプロですが、多くの顧客を抱えています。そのためトラブルが発生するきっかけを見過ごす可能性もないとは言い切れません。信頼できる不動産会社を選ぶことももちろんですが、まめに連絡を入れる、契約書をきちんと読み、疑問があればきちんと確認するといったことを忘れないようにしましょう。

記録をきちんとしておく

やり取りは記録をする、また契約書等で書面化して専門家によるチェックを受けることで、万が一のトラブル回避になります。

知識をつける、トラブル事例をよく読んでおく

国土交通省が不動産に関するトラブルの事例データベースを公開していますので、どういったトラブルが起きているかを把握しましょう。また不動産売却についての知識や法改正のニュースを新聞等でチェックすることも大切です。トラブルが起きないことが一番ですが、発生した時の対処法についても事例で学んでおくことをおすすめします。